30代になると、“体の疲れがなかなか取れない” “食事制限だけではなかなか体重が減らない”など、20代までは気にならなかった悩みを感じる人が増えていきます。
それは、年齢とともに低下する代謝機能が原因の一つと言われています。
代謝機能が低下すると、体力の低下やエネルギー変換速度の低下を引き起こし、疲れやすく痩せにくい体になってしまう恐れがあります。
そこで、30代から知っておきたい代謝の低下を抑える為に大切なポイントを、管理栄養士の視点からたっぷりと解説していきます。
代謝アップが期待できる酵素と栄養豊富なモリンガの意外な関係や、今日からでも始められる簡単食事健康法を一緒に学んでいきましょう。
30代の体の変化
30歳を過ぎると、仕事や家事でますます忙しくなり、自分の身の回りのことは後回しにしてしまいがち。
そんな中、今までと同じような食事では対処しきれない悩みが増えてくる人が多いのだとか。
30代から気になりだした悩みで多いと言われていることをピックアップしました。
□ 疲れやすい
□ 疲れが取れない
□ 肌トラブルができやすい
□ 冷え
□ 痩せにくい
あなたはいくつ当てはまりますか?
この悩みのほとんどが、“代謝機能の低下”と関係しています。
年齢とともに低下すると言われている代謝機能を向上させるためには、どんなことが大切なのでしょうか。
代謝を構成する4つの機能
代謝を上げるための方法をお伝えする前に、そもそも「代謝」とは何なのかを知っておきましょう。
代謝とは、主に4つの機能から構成されています。
どれも人間が生きるために欠かせない機能ですので、一つ一つ解説していきます。
①新陳代謝
1つ目は、新陳代謝と呼ばれる、新しい細胞の生成を助ける機能です。
私たちの細胞は、日々の生活の中でほんの少しずつ生まれ変わっています。
新陳代謝が活発に行われないと、働いた細胞へのケアが遅れて、疲れやすくなったり肌荒れが和らぎにくくなったりしてしまいます。
②毒素の排出、解毒
2つ目は、毒素の排出と解毒を促す機能です。
「毒素」とは、食品の添加物や大気汚染物質、紫外線など、口や鼻から体内に取り込んでしまっているものです。
毒素が排出されずに体内に貯蓄されてしまうと、腸内環境の乱れや肌トラブルにつながってしまいます。
③エネルギー生産
3つ目は、体を動かすためのエネルギーの生産を助ける機能です。
エネルギーは、食事から摂取した栄養を酸素を使って燃焼することによって生産されます。
この機能が低下すると、体を動かすためのエネルギーが足りず疲れやすくなったり、体温維持のためのエネルギーが足りず冷えが生じたりしてしまいます。
④免疫力の維持
4つ目は、健康を保つために欠かせない免疫力の維持と、体の不調から守る機能です。
免疫力は、体に良くない影響を及ぼす要因を常に監視し、撃退する働きを担っています。
また、体に良くない影響を受けないように自分自身を守る機能もとても大切です。
これらの機能が低下すると、体調不良になりやすくなったり、体の不調が長引いてしまいます。
“代謝機能が低下する”ということは、これら4つの機能が低下してしまうということです。
疲れやすくなったり肌トラブルに悩むだけでなく、お腹のハリや体調不良も引き起こしてしまう恐れがあるのです。
代謝機能を正常に保つことがいかに大事かということがわかりましたね。
しかし、代謝は年齢とともに低下してしまうもの。
どうしても防ぐことができない“加齢”による原因に立ち向かって代謝を上げるには、どうすれば良いのでしょうか。
代謝を上げるために大切なこと
代謝を上げるためには、運動や睡眠など、生活習慣の見直しがとても大切です。
中でも管理栄養士として特におすすめしたいのは、普段の食生活から「栄養習慣」を身につけることです。
栄養習慣とはその名の通り、普段の食生活から栄養バランスを整える習慣です。
三大栄養素をバランス良く摂取することはもちろん、不足しがちなビタミンやミネラル、生きるために欠かせない酵素をたっぷりと摂り入れることが必要になります。
しかし、日々の生活が忙しい30代、毎日の栄養バランスを考えて食事をすることは大変ですよね。
ここでは、毎日必ず摂取したい栄養素を普段の食生活で上手に取り入れるためにおすすめの方法をご紹介します。
モリンガを摂る
普段の食事で不足しやすいビタミンやミネラルを、一度に多量に摂取できると言われているモリンガで摂りましょう。
モリンガには、スーパーフードと呼ばれるほどたくさんの栄養素がたっぷりと含まれています。
特にビタミンとミネラルは、栄養価が高いと言われている他の食品の倍以上含まれていることがほとんどです。
【モリンガに含まれる代表的なビタミンとミネラル】
●ビタミンC・・・78g(ミカンの約2倍)
●βカロテン・・・1700µg(ニンジンの約2倍)
●カルシウム・・・110mg(牛乳の約15倍)
●カリウム ・・・360mg(バナナの約7倍)
●鉄分 ・・・11.6mg(ホウレン草の約6倍)
このように、モリンガにはビタミンやミネラルがバランス良く豊富に含まれているため、不足しがちな栄養素を補ってくれるのです。
粉末やサプリメントなどで普段の食事にモリンガをプラスすれば、忙しくても簡単に栄養補給が期待できます。
酵素を摂る
「酵素」とは、人間が生きるためには欠かせない成分です。
体の中で起こる多くの働きには、酵素のサポートが必要とされています。
酵素には、体内で作られる潜在酵素と、食品に含まれる食物酵素があります。
潜在酵素は、食べ物を消化分解し取り込む「消化酵素」と、代謝機能の働きを助ける「代謝酵素」の2種類が存在しています。
潜在酵素は一生のうちに作れる量が決まっており、加齢や不摂生により減少してしまいます。
そこで、食物酵素を積極的に摂り入れる必要があるのです。
野菜や果物などの生の食べ物や発酵食品に多く含まれているので、サラダは必ず食べるなど、普段の食事で意識してみると良いでしょう。
モリンガと酵素を同時に摂取する
上記では、モリンガと酵素、それぞれの良さをお伝えしました。
しかし、モリンガだけ、酵素だけを摂取してもあまり意味がないのです。
酵素は、消化や代謝をサポートする生きるために欠かせない成分ですが、一つの酵素だけが働いているわけではありません。
酵素には約5000もの種類があると言われており、それぞれが一つの働きだけを担っています。
そして、体内でそれぞれ特定の成分と化学反応を起こしてようやく機能するのです。
当然、化学反応を起こすことができなければ、酵素は機能できません。
そこで、化学反応を促すために酵素と同時に摂取したほうが良いと言われているのが、「補酵素」とも呼ばれるビタミンやミネラルなのです。
補酵素とはその名の通り酵素を補助する役割を担ったもので、補酵素が足りないと酵素は上手く働きません。
逆も同じで、補酵素は酵素のサポートのおかげで良さを発揮する働きがあります。
そのため、お互いにサポートし合って十分な働きを発揮するためにも、補酵素と酵素を同時に摂取することが大切です。
ビタミンとミネラルという補酵素が豊富なモリンガと酵素をバランス良く摂取して、代謝アップを助ける栄養習慣を身につけましょう。
生き生きと過ごすために今日からやりたい4つのこと
これまでに、年齢に伴う体の変化や代謝についてや、代謝アップのための栄養習慣について解説してきました。
ここからは、管理栄養士がおすすめする、いつまでも元気に過ごすためにやっておきたい4つの食事健康法をお教えします。
①モリンガと酵素をバランス良く摂り入れる
先ほどもお伝えした通り、代謝機能を保つ栄養習慣を身につけるためにも、モリンガと酵素を普段の食事からバランス良く摂り入れることが大切です。
生野菜とモリンガが入ったスムージーを飲んだり、サラダや納豆で酵素を摂りつつサプリメントでモリンガを摂取するなど、方法は様々です。
自分に合った方法で、理想的な栄養習慣を見つけてみてくださいね。
②よく噛んで食べる
代謝機能に密接して関係しているのが、消化機能です。
食べ物の消化が上手くいかないと、食べ物の栄養を取り込むのに時間がかかり、たくさんの酵素が消化に使われてしまいます。
その結果、代謝のための酵素が少なく、代謝機能の低下につながってしまうのです。
食べ物をよく噛んで食べて小さくすることで、消化にあまり負担をかけません。
食事をするときは少し意識して、いつもより10回多く噛んでみるようにすると良いかもしれません。
③腸内環境を整える
生き生きと元気に生活するためには、腸内環境を整えることも大切です。
体内に溜まった老廃物を外に出すデトックスは、汗や尿からも行われますが、ほとんどは排便によって行われます。
排便が適切に行われないと老廃物はなかなか外に出されず、どんどん体内に貯蓄されてしまいます。
そのため、腸内環境を整えることで排便リズムを保ち、デトックスを促すことが重要なのです。
食物繊維や乳酸菌、オリゴ糖が豊富な食材を積極的に摂取して、腸をキレイに保ちましょう。
④腹八分目を心がける
年齢とともに、消化や代謝の機能は低下していきます。
20代と同じ量をお腹いっぱい食べてしまうと、食べた分だけ消化や代謝に時間がかかり、多くの酵素を消費してしまいます。
そんなときは、“腹八分目”を心がけるのがおすすめです。
お腹いっぱいの一歩手前、“もうちょっと食べられる気がするけどここでやめとこう”を意識してみてくださいね。
まとめ
年齢とともに低下する代謝機能によって、体の悩みが増える30代。
仕事に家事に忙しくてなかなか自分の身の回りに気を配ることが難しいですよね。
しかし、時間が無くても今日から簡単に見直せることはたくさんあります。
あなたにできそうな方法を見つけて、まずは続けてみてください。
続けていけば、ふとした瞬間に実感できることがきっとありますよ。
執筆者:管理栄養士 谷口あゆこ
管理栄養士・ナチュラル料理研究家
病院や産婦人科での献立作成や栄養指導を経て、独立。
1児の男の子の母であり、化学調味料や白佐藤を使わないナチュラル料理を研究しています。
忙しい中でも子供との時間や自分のための時間を確保しながら、簡単に10分でできるナチュラル料理術をお伝えしています。