「ミラクルツリー」という呼び名で取り上げられることの増えた「モリンガ」。その豊富な栄養素は美容と健康が気になる30代40代の女性にも多くのメリットを与えてくれます。今回はモリンガの成分から期待される効果・効能やモリンガ商品の種類について、さらに高品質のモリンガ商品を見分けるポイントもご紹介しますのでチェックしてくださいね。
モリンガがミラクルツリーと呼ばれる理由

モリンガの特徴
モリンガは北インド地方を原産とする多年性の植物。インドをはじめ、フィリピンなどの東南アジアやアフリカといった亜熱帯や熱帯地域に生息しています。
日本での自生は確認されていませんが、九州や沖縄など、気候の温暖な地域で栽培がおこなわれています。
モリンガの日本名は「ワサビノキ」。
大変生命力が強く、ほとんど手をかけなくても成長するのが特徴。気温の高い地域であれば荒れ地でも育ち、干ばつにも強い植物として知られています。また種をまいてからわずか1年で実をつけ、2年で3~10メートルの高さにまで大きくなります。
このたくましさに加え、モリンガには多くの栄養成分が豊富に含まれています。このことからモリンガは「生命の木」「ミラクルツリー」などと呼ばれることもあるのです。
モリンガが世界で用いられた実例
日本国内ではまだまだ馴染みの薄いモリンガですが、海外では古くから親しまれてきた植物です。
5000年の昔から伝わる東洋医学のアーユルヴェーダにおいて「300種類以上の病を予防する薬箱の木」と称されているほか、フィリピンのシッダ医学など、古代から民間医療に用いられてきました。
このことから、特に東南アジア地方の人々の生活にモリンガが深く根付いていることがうかがえますね。
そのほかに古代エジプトの女王、クレオパトラがモリンガを愛用していたという伝説も。モリンガオイルを肌に塗り、モリンガのお茶をのんでいたのだとか。
現代では改めてモリンガの栄養素が注目を浴びています。熱帯地域の発展途上国における深刻な飢餓や貧困問題を解決する方法として、モリンガの栽培や摂取が提唱されています。
世界中のNGO団体はもちろん、WFP(国際連合世界食糧計画)の食糧計画にモリンガが採用された実績もあるほどです。
モリンガに含まれる豊富な栄養素

モリンガは人間に必要な栄養素のほとんどを含む
紀元前の昔から人類に親しまれ、今もなお世界中で用いられているモリンガ。
その理由は、他の食物の追随を許さないほど高い栄養成分を含んでいるからです。地球上の食べられる植物の中では最も豊富な栄養素を持っているとも言われるほど。
現在解明されているだけでも90種類以上の栄養成分が含まれているのです。その中にはポリフェノールをはじめ、46種類以上の抗酸化物質も。健康やエイジングケア効果に嬉しい成分です。
たんぱく質をはじめ、ビタミンやミネラルなど、人間が生きていくうえで必要な栄養素がほぼすべてモリンガに詰まっているといっても過言ではないでしょう。
あふれんばかりの栄養成分の一例として、モリンガに含まれるたんぱく質は牛乳の約2倍、ビタミンAはニンジンの約4倍、鉄分はホウレンソウの約3倍とされています。
モリンガに含まれる栄養素とその作用
それでは実際にモリンガに含まれる栄養素と、その作用を見てみましょう。
◎たんぱく質
モリンガ100gのうちおよそ30gはたんぱく質。3大栄養素のひとつです。
たんぱく質は筋肉や内臓、爪や髪など人間の体を構成するもの。
また人間の生命活動に欠かせない酵素を作り出し、エネルギー源となります。
◎ビタミン類
モリンガに含まれる主なビタミンの作用は次のとおり。
- ビタミンA:目や皮膚、粘膜の健康を保ち、免疫力を高める作用を持ちます。
- βカロテン:摂取すると体内で必要な分だけビタミンAに変わります。強い抗酸化作用を持ち、活性酸素を除去します。
- ビタミンB1・B2・ナイアシン:エネルギーを生み出す働きや代謝に関わる働きを持ちます
- ビタミンC:コラーゲンを作り美肌効果や血管を守る作用があります。またメラニン色素の働きを抑えるためシミやそばかすの抑制効果も。免疫力を高めるほか、高い抗酸化作用を持ちます。
- ビタミンE:抗酸化作用が高く、活性酸素の働きをおさえます。また血行促進作用も。
ビタミンA・ビタミンCとともに摂取することで最大限の働きを発揮します。
◎ミネラル
モリンガには7種類のミネラルが含まれます。各ミネラルの作用は次のとおりです。
- 鉄分:血液中の赤血球のもととなるヘモグロビンの主成分です。
- カルシウム:骨や歯のもと。精神安定の効果もあります。
- ナトリウム:体内の水分を調整し、神経機能や浸透圧のバランスを保ちます。
- カリウム:不要なナトリウムを排出します。
◎アミノ酸
人間の体を作るアミノ酸もモリンガには豊富。
アミノ酸には体内で作ることのできない必須アミノ酸と合成ができる非必須アミノ酸がありますが、モリンガにはその両方が含まれています。
- 必須アミノ酸:筋肉の構成に関わり、エネルギー代謝と深い関わりを持ちます。疲労感を軽減する作用があります。
必須アミノ酸のうち「イソロイシン」「ロイシン」「バリン」はBCAAとも呼ばれ、摂取することで基礎代謝の向上や疲労を軽くする作用があります。ダイエットやスポーツなどに用いられることも。
- 非必須アミノ酸:睡眠の質を高めたり、美肌効果があります。
- γ-アミノ酪酸=GABA:興奮を鎮め、リラックス状態をつくります。
◎食物繊維
腸の働きを整える食物繊維。
食物繊維には水溶性と不溶性があり、双方をバランスよく摂取することが良いとされています。
モリンガには水溶性と不溶性、両方の食物繊維が含まれています。
◎ポリフェノール
老化の原因とされる活性酸素を除去する働きを持つポリフェノール。優れた抗酸化作用を持つポリフェノールが、モリンガには豊富に含まれています。
モリンガには美容と健康へのメリットがいっぱい

ここでは、モリンガの栄養成分から期待できる効果について具体的にご紹介します。
便秘解消効果
モリンガには老廃物の排出を促すデトックス作用が期待されています。
これはモリンガに含まれる食物繊維の特徴によるもの。
食物繊維には水溶性・不溶性の2種類があります。
水溶性食物繊維には善玉菌の数を増やして腸内環境を整え、腸内の毒素を吸収する作用が。
不溶性食物繊維には腸のぜん動運動を活発にして便通を促したり、老廃物を体外に非出させる作用があります。つまり腸内環境をよくしてお通じを整えるためには不溶性の両方の食物繊維を摂取するのが大事。
モリンガには水溶性と不溶性の食物繊維がともに含まれているため、健やかな腸内環境をはぐくむことが出来るのです。
美肌効果
モリンガの持つ美肌効果はデトックス作用と抗酸化作用、アミノ酸の働きが大きく関係しています。
- デトックス作用=食物繊維
食物繊維には腸内環境を整え、便秘を改善させる効果があります。
実は肌と腸内環境には密接なつながりが。腸内に便が溜まっていると毒素が発生して体調不良や肌あれを引き起こすのです。食物繊維の整腸作用はデトックス効果ともいえるでしょう。
- 抗酸化作用=ポリフェノール・ビタミンC・ビタミンE
体の酸化はいわば老化です。老化はお肌のシミやシワ、たるみなどとなって現れますが、実は活性酸素が体を酸化させる原因。
モリンガに含まれるポリフェノールやビタミンC、ビタミンEには活性酸素を除去する作用を持つ強力な抗酸化作用があります。
特に抗酸化ビタミンと呼ばれるビタミンEは、ビタミンCや同じくモリンガに含まれるビタミンAと結びつくことによって最大の効果を発揮することができます。
- 肌を構成する成分のコラーゲンを作る=アミノ酸
美肌効果が語られることの多いコラーゲンは、お肌や骨を構成するたんぱく質の一種です。
モリンガに含まれる非必須アミノ酸のアラニン・グリシン・プロリンの三つがコラーゲンを構成する成分であり、それぞれに美肌効果があるとされています。
ダイエット効果
モリンガには女性に嬉しいダイエット効果も期待されています。
- コレステロールや中性脂肪を減少させる=GABA
GABAにはリラックス効果だけでなく、コレステロールや中性脂肪を減らす効果があります。
- 腸内環境の改善=食物繊維
- エネルギー代謝を活性化させる=たんぱく質・アミノ酸・その他栄養素
エネルギー代謝がアップし、エネルギー消費が高まることが脂肪を燃焼させ、ダイエット効果へとつながります。腸内環境の改善と基礎代謝の向上は密接な関係があります。
- むくみ改善=カリウム
むくみは余分な水分が排出されず体内に溜まることで起こります。むくみは冷えや代謝低下の原因となり、水太りの原因になります。
カリウムはむくみの原因となるナトリウムを調整する作用をもち、余分な水分を体外に排出するサポートを行います。
免疫力アップ効果
感染症やアレルギーなどから体を守る免疫力の向上も、モリンガの栄養効果のひとつ。
- 腸内環境の改善=食物繊維
体の免疫細胞のうちの実に7割が腸に存在しています。そのため腸内環境を良くすることは免疫力向上の大きなポイントとなります。
- 体内バランスの調整=たんぱく質・ビタミン・ミネラルなど
多種多様な栄養素がたっぷり含まれているモリンガ。それぞれの栄養素が体内の機能を整えるようサポートしてくれます。
そのほか、ワサビ科のモリンガには強力な消炎や消臭、抗菌作用があり、風邪やインフルエンザ予防、虫歯の予防などに効果が期待できます。
リラックス効果
ストレス社会の現代でモリンガの成分が注目されています。
- 精神安定
- 抗ストレス作用=GABA
非必須アミノ酸であるグルタミン酸を材料としたGABAには抗ストレス作用や脳や神経の働きを安定させる作用があります。興奮を抑え、リラックス状態をもたらす成分として注目されている成分です。
GABAが多く含まれている食品として発芽玄米がありますが、モリンガは発芽玄米の約30倍ものGABAが含まれています。
- 疲労回復成分=ビタミンB1
- ビタミンC
- 必須アミノ酸BCAAなど
ビタミンB1には疲労回復効果が、またビタミンCにはストレスに対抗するためのアドレナリンの分泌を促す作用があります。
また、アミノ酸BCAAは脳が感じる疲労である「中枢性疲労」を軽減させる作用があります。
生活習慣病予防効果
モリンガに含まれる成分には生活習慣病を予防する効果もあります。
- 血圧の降下や中性脂肪を抑える働き=GABA
リラックス成分であるGABAには、血圧を下げたり中性脂肪を吸収しにくくする作用があります。
したがって糖尿病や高血圧の予防に効果が期待されています。
- 抗酸化作用=ポリフェノール
- ビタミンC
- ビタミンEなど
老化の原因となる活性酸素はもともと人間の体内に存在するもので、本来は体に良い影響を与えます。
半面、活性酸素が増えすぎてしまうと、細胞や血管の老化を促したり、DNA遺伝子などを攻撃して病気の原因となることがあります。
血管が老化すると血流が悪くなり、動脈硬化が起こりやすくなります。さらに症状が悪化すると心筋梗塞や脳梗塞などの命に関わる病気を起こす場合も。
また体の老化によって高血圧や糖尿病などの生活習慣病にかかりやすくなります。
モリンガに含まれるポリフェノールやビタミンC・Eは活性酸素の増加を抑制する抗酸化成分が豊富。細胞や血管の老化を防ぐ効果があるといわれています。
モリンガ商品の効果的な取り入れ方と選び方のポイント

モリンガは捨てる場所なしの万能植物
モリンガは生命力が強く栄養が豊富な植物です。
さらに花や葉、茎、根、種のすべてが余すところなく利用できるという特徴を持ちます。
- 種:良質なオイルが採れる。東南アジアなどでは食材としても使われる。
- 花:お茶や香料として使用される。
- 葉:栄養価が高い部分。料理やお茶などに使用される。
- 茎:お茶として使用される
- 幹:太い部分は薪や建材として利用される。
- 根:漢方や香辛料として使用される。
海外では根の部分が漢方や香辛料として使用されることもあります。
ただし根や根の抽出物にはアルカロイドが含まれているため、国内では厚生労働省から摂取を控えるよう注意喚起がなされています。

モリンガ商品の種類
国内で入手できるモリンガ商品は、主に以下のような種類あります。
- モリンガパウダー
モリンガ商品の中でもおなじみの品です。モリンガの葉を乾燥させて粉末にしたもので、モリンガの栄養を丸ごと摂取できるのがメリット。
水に溶いて飲んだり料理に入れたりします。
- モリンガ茶
モリンガパウダーと並んでポピュラーな製品。ティーバッグのものや粉末状のものがあります。
ティーバッグタイプはお湯で煮だしたり水出ししたりした抽出液を飲みます。
- モリンガサプリ
モリンガの粉末で作ったサプリメントです。粉末をカプセルに入れたり、圧縮して錠剤にしているものが多く見られます。
モリンガの葉の栄養成分が凝縮されており、飲みやすく携帯性に優れているのが特徴です。
- モリンガオイル
モリンガの種子を乾燥させ、圧搾して抽出したオイルです。高い保湿効果を持ちます。
色は無色透明で匂いもありません。
モリンガオイルは主に体や髪の保湿に用いられます。また、アロママッサージなどのキャリアオイルとして使用されます。
モリンガ商品を選ぶときのポイント
さまざまなモリンガ製品が多くのメーカーから発売されていますが、種類が多すぎてどのような基準で選べばよいのか迷ってしまいますね。
モリンガ製品を購入する際には、次の点に注意して選ぶことをお勧めします。
①栽培方法
健康食品や化粧品を選ぶときには有機栽培の表記をめやすにする人も多いと思います。
しかしモリンガ製品に関しては有機栽培表記への注意が必要。
- 遺伝子組み換えでないモリンガを選ぶ
国内で流通しているモリンガには「インド産」「イロコスモリンガ(フィリピン産)」「国産」などがあります。この中で特に注意したいのが、遺伝子組み換えのモリンガが使用しているかどうかです。
遺伝子組換えをすると在来種よりも大量に栽培をすることが出来ます。しかしその分土壌の栄養を吸い上げてしまうので、土が痩せて短期間で育たなくなるデメリットを持っています。
また厚労省では遺伝子組換え作物に関しては危険がないと発表しているものの、安全性に関してまだ未知数な部分が多いのが遺伝子組換え作物の問題点。
また遺伝子組換えのモリンガを原料としたオイルが、国内規格の有機認証を受けているケースもあります。国内産のモリンガであっても、遺伝子組換えの可能性はあります。
種を輸入して栽培している場合、農家が確認していなければ遺伝子組換えのモリンガを育てて製品にしていることも。モリンガ製品は、極力遺伝子組換えではないモリンガを使用したものを選びましょう。
そのほか栽培方法を見極める際には
- 品種改良されておらず、原種に近いモリンガを使用していること
- 無農薬栽培であること
などをポイントとして選ぶのがおすすめです。
②栽培地
亜熱帯地域でたくましく育つモリンガですが、寒さには弱いという弱点があります。そのため気温が足りない場所で栽培されたモリンガは栄養素を蓄積できていない可能性が。亜熱帯地域で栽培されたモリンガを選ぶのが理想的ですが、そうでない場合には成分表をしっかりとチェックしましょう。
③日本国内工場レベルの基準で管理・加工されているもの
モリンガの加工を行った向上の品質管理についても可能な限り確認したいものです。厳格な品質・衛生管理基準にのっとって国内工場で製造された製品、もしくはその基準に相当するような厳しい管理のもとで作られた製品を選ぶようにしましょう。
④サプリの場合:モリンガがしっかり配合されているもの
モリンガパウダーの場合にはモリンガをそのまま粉末にしているため栄養素が丸ごと摂取できます。一方サプリメントは加工の段階で添加物が加えられていることがありますので注意しましょう。
せっかくモリンガ製品を購入するのですからモリンガがたっぷり配合されたものを選びたいですよね。サプリを選ぶ際には、製品の成分表を確認してモリンガが豊富に配合されているかどうかを見極めましょう。
まとめ

「奇跡の木」と称されるほど多彩で豊富な栄養素が含まれているモリンガ。
その効果は健康のみならず美容、特にアンチエイジングの分野でも心強いサポートが期待できます。
モリンガを国内で手に入れる際にはお茶やパウダー、サプリなどの健康食品か、もしくはモリンガオイルが主流です。
製品によって品質や効果にばらつきがありますので、栽培や製造過程をしっかりとチェックして、良質なモリンガ製品を選んでくださいね。