人間に必要な栄養素をほとんど含んでいるとも言われるモリンガ。
日常的に使っていると、自分で育てられたら便利だな…と考えますよね。
そこで今回はモリンガの育て方いろいろをピックアップ。
詳しい育て方のほかに、失敗しないで育てるための注意ポイントなどもご紹介していますので最後までチェックしてくださいね。
自家栽培だからできる!モリンガの利用方法

フレッシュリーフ
自家栽培ならではのモリンガの楽しみ方といえば、新鮮な葉をそのままいただけること。
フレッシュなモリンガの葉は、ハーブ野菜のようにそのままサラダや料理に入れることができます。
緑黄色野菜の要領でお味噌汁の具やスムージーに入れるのもおすすめ。
モリンガの鞘や果実
モリンガの鞘や実の部分も水煮など火を通して野菜として食べることができます。
カレーやスープなど、エスニック料理に入れて煮込むと美味しくいただけますよ。
また天日で乾燥させ、煎じるとお茶として飲むこともできます。
モリンガの花
モリンガは、ほのかに甘く香る白い花を咲かせます。
モリンガの花には強壮効果があるとされ、この花部分を乾燥させて花茶として飲むことができます。
モリンガの育て方をチェックすると同時に、食べ方のバラエティもチェックしてみると楽しいですね。
モリンガの育て方を知る前にチェックすること

モリンガの育て方いろいろ
モリンガが1.5mから2mほどの高さに育ち、葉や実を収穫できる状態になるまでには1年ほどかかります。
国内でモリンガを育てる方法は大きく分けて3つ。
- 種
- 苗
- 挿し木
それぞれからモリンガの栽培をスタートさせることが可能です。
モリンガの育て方として一番簡単なのは挿し木を使う方法。
次に10㎝前後まで育った苗から育て始める方法で、最も手間がかかるのがモリンガを種から発芽させる育て方です。
モリンガの種や苗は、品ぞろえの良い園芸店やネットショップなどで取り扱っているので入手しやすいでしょう。
一方挿し木はあまり商品として出回っていないため、モリンガをすでに栽培している人から譲ってもらうか、専門的な園芸店に問い合わせるのがおすすめです。
育てるときに用意するもの
モリンガを育てるときに欠かすことのできないアイテムとその選び方をご紹介します。
①土
モリンガは痩せた土地でも生きていけるほど生命力が強いので、栄養たっぷりの土を仕入れる必要はありません。
一般的な園芸店で購入できる腐葉土で十分育てることが可能です。
モリンガの育て方の大きなポイントとして、水はけのよい土を選びましょう。
モリンガは乾燥に強い性質を持っていますので、水をやりすぎると根腐れしてしまいます。
②タッパーとキッチンペーパー
種からのモリンガを育てる際に、発芽までのプロセス用に使います。
③ポット
園芸用の小さなポットに土を入れ、モリンガの苗がある程度の大きさになるまで育てます。
モリンガは大きく成長するため、後々植え替えをすることが前提になります。
そのため用意するのはビニールポットで構いません。
モリンガの詳しい育て方

種からの育て方
種からスタートさせるモリンガの育て方では、種から芽が出るまでの過程がとても大事です。
直接種を土に蒔く方法もありますが、初めての人におすすめなのは種をタッパー等の容器で発芽させる方法です。
◎タッパーとキッチンペーパーを使った種の発芽方法
- 底の浅い皿などに水を入れ、その中に種を入れて一晩水に浸しておく。
- タッパーなど小さめの容器にキッチンペーパー(脱脂綿でも可)を湿らせて入れ、その上に一晩水に浸しておいた種を置く
最初に種を水に浸して水分を吸収させることで、発芽しやすくなります。
湿ったキッチンペーパーの上で育てることで発芽状態を確認できるのもメリット。
まずは種から根っこになる部分が生えてきて、次に葉や茎となる芽が出てきます。
この間、約1週間から10日前後です。
最初に出る葉は子葉と呼ばれます。
一般的な植物は2葉で出ることが多いのですが、モリンガはタフな植物といわれるだけあって10枚ほどの葉がいっきに出てくることも珍しくありません。
芽や子葉が出てきたら、土を入れた鉢植え用のポットに移しましょう。
ポットに移した苗が30㎝前後の大きさになったら、土壌に植え替えます。
ちなみに、1か月以上たっても発芽しないのであれば、残念ですがうまくいっていない可能性があります。
その際には以下の方法を試してみてくださいね。
苗からの育て方
種から発芽までの難しいプロセスを省いてしまうのもモリンガの上手な育て方といえます。
初めてモリンガを栽培する場合に多い失敗例として、発芽しない、もしくは発芽しても苗になるまで育たずに挫折してしまう…というケースがあります。
ネット通販などではモリンガの苗を扱っている業者が多く存在しますので、ある程度育った状態のモリンガを購入する方法は初心者向き。
市販の苗は、大体10㎝前後かそれ以上の大きさになったものが鉢やビニールポットに入った状態で売られています。
商品説明などで苗の大きさや状態をよくチェックして購入するとよいでしょう。
モリンガの種からの育て方と同様、苗が30㎝ほどに育ったら土壌に植え替えてくださいね。
挿し木を使った育て方
「挿し木」というのは、モリンガの若い枝を土に根付かせて育てる方法です。
既にある程度の状態まで育っている枝を使うため、初めての人でも失敗することが少ないモリンガの育て方のひとつです。
◎モリンガの挿し木を使った育て方
- モリンガの若い枝を7~10㎝の長さで切り取ります。先端の数枚を残して下方の葉を取り除きます。
- 先端に残した葉を半分に切ります。こうすることで葉からの水分が蒸発することを防ぎ、根部分の負担を軽減します。
- 枝の切り口を斜めに切り取り、水分を多く吸い上げられるように整えます。そのまま1~2時間程度水の中に切り口をつけておきましょう。
- 土を入れた鉢やプランターに穴を掘り、水に浸しておいたモリンガの枝を指します。
- 土をかけたら水をやり、土と枝を密着させます。土の表面を手で押し固め、枝が倒れないようにしましょう。
- 風通しが良く、程よい日当たりの場所に置き、根が出るまで2~3週間待ちます。
春先などの気温が低い時期には、ビニールの袋などで覆って温度と湿度を一定に保つようにしましょう。 - 根が出たらさらに1~2週間鉢もしくはプランターで育てます。
新しく生えた葉が3~6枚ほどに育ったら、根を傷つけないように土壌に植え替えましょう。

モリンガの育て方で注意したいポイント

育て始める時期
過酷な環境に強いとはいえ、モリンガは寒さには強くありません。
北インドが原産で亜熱帯から熱帯気候にかけて生息する植物なので、モリンガを育て始めるのであれば温かい季節に入ってからスタートするのが育て方のポイントです。
種や苗、挿し木いずれの方法で栽培するにせよ、5月から9月までの間に行うのがおすすめ。
5月は、もともと植物が一番元気に成長する「生育期」に差し掛かる時期。
種やさほど大きくなっていない状態の苗などは、なるべく風通しがよく温かい場所に置いておくとよいでしょう。
また挿し木もこの時期に行うと、切られた枝の回復力が高まります。
植え替えが必要
モリンガは種の状態から1年ほどで成木となります。
とても成長が早いうえ、2mを超える高さにまで育つことも珍しくありません。
種や小さな苗の状態から育て始めたとしても、いずれ大きくなることを想定しておきましょう。
小ぶりな鉢やプランターでのモリンガの育て方では、充分に成長しない可能性があります。
家の中やベランダであっても、大きく育てられる場所を確保してからモリンガを栽培するのがおすすめです。
鉢やポットで育てていたモリンガの苗が3㎝を超えたら、しっかりと根を張ることのできる大きさの鉢か土壌に植え替えたいですね。
植え替えをする際に気を付けたいのが、根を傷つけないこと。
根の周りについた土ごと新しい場所に移すと、根を傷めることなくその後の成長もスムーズになります。
ちなみにモリンガは冬場には葉を落としてしまいますが、多年草ですから根の部分は生きています。
春になればまた新しい葉をつけますよ。
水やりについて
大事にモリンガを育てたいあまりに、水をやりすぎるのはモリンガの育て方としてはよくありません。
もともとモリンガは亜熱帯や熱帯地域で生育する植物。
干ばつや乾燥に強いため、多少水が少ない環境でも十分に育ちます。
モリンガの育て方で特に気を付けたいのが、水のやりすぎによる根腐れです。
家庭菜園で、他の植物や野菜にするようにたっぷりと水をあげるのは禁物。
特に冬場は水やりの量が多くならないよう、注意が必要です。
モリンガの水やりのタイミングは、表面の土がカラカラに乾いている状態になったときです。
回数としては1日に1回程度で充分。
土壌が乾燥しているところを見計らってたっぷりと水をあげましょう。
温度の設定と管理
日本国内でのモリンガの育て方で難しいのが水やりのタイミングともうひとつ、温度の管理です。
暑さに強いモリンガは、夏場の気候や陽射しに関しては特に心配する必要はありません。
ただし冬場の温度管理に対しては注意しなければいけません。
その年の冬を越すことができるかどうかが、モリンガの育て方では山場になるといってもよいでしょう。
モリンガが寒さに弱い植物であることはご存知のとおり。
気温が5度を下回ると生育自体が難しくなります。
日本でも亜熱帯気候に属する九州や沖縄地方であれば冬でも温暖に過ごすことができますが、その他の地域では冬になると気温5度以下になることが珍しくありませんよね。
こういった地域でモリンガを育てる場合には、冬場に室内で管理するのがおすすめです。
かといって暖房を四六時中つけたままでは費用がかさむのも問題。
そこで、家の中で育てるのが難しい場合には農業用のプチハウスなどを用意するのも方法のひとつです。
雪が降ることもあるほど寒い日本の冬。
上手に乗り切ってモリンガを育てたいですね。
まとめ

手軽に手に入れることができるようになりつつあるモリンガ製品ですが、どうせならフレッシュなモリンガを味わいたいものです。
今回は日本国内でのモリンガの育て方の種類や詳しい方法をご紹介しました。
種の状態からじっくり育てたモリンガには愛情もひとしお。
また初めてモリンガを栽培するのであれば手堅く苗や挿し木から始めるのがおすすめです。
ご紹介した水やりや温度管理のコツをマスターして、自家製のモリンガを楽しんでくださいね。